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みなさん、『Age Tech(エイジテック)』という言葉をご存じですか？

Fin Tech(金融×テクノロジー)、Agri Tech(農業×テクノロジー)、Fem Tech(女性×テクノロジー)･･･
というような○○Techという言葉は、近年耳にすることが多くなったのではないでしょうか。

そして近年急速に進んでいる少子高齢化社会で急拡大しているのが、「高齢者×テクノロジー」のことを指した『Age Tech』です。
今回はこのAge Techについて、日本の現状や具体的なサービス、海外の現状などを詳しく解説していきます！

1. 急速に進む日本の高齢化

ご存知の方も多いと思いますが、日本の高齢化率は世界 1 位です。65 歳以上の人口は、令和元年 10 月の内閣府の統計で 3,589 万人となり、高齢化率は 28.4%となっています。

日本の高齢化率は 1950 年には 5%に満たなかったが、1970 年に 7%、1994 年に 14%、そして現在 28.4%と右肩上がりに上昇を続けています。

今後も上昇すると予想されており、2036 年には 33.3%で国民の３人に 1 人が、2065 年には38.4%に達し 2.6 人に 1 人が 65 歳以上になると推計されています。

2. Age Tech(エイジテック)とは？

冒頭で説明したとおり、Age Tech とは「高齢化×テクノロジー」のことで、高齢化社会・高齢社会・超高齢社会における課題を解決するテクノロジー、並びにテクノロジーを用いたサービスのことです。

2021 年に出来たばかりの言葉なので初めて耳にする方も多いと思いますが、近年急速に進行する高齢化を背景にテレビや新聞などでも取り上げられるようになりました。

高齢者向けのテクノロジーとは言っても、高齢者見守りや認知症ケア、ヘルスケアや終活サポートなど存在は多岐に渡ります。

高齢化率世界 1 位の日本にとって高齢化対策は今後の大きな課題となるため、Age Tech 市場は今後急拡大していくことでしょう。

3. グローバルの Age Tech 市場規模は 300 兆円に！？

海外には高齢化向けスタートアップ企業が既に多数存在しています。特に、米国や英国は既に Age Tech 産業のスタートアップ企業が多数存在しています。

世界の Age Tech の市場規模は、2025 年までに 2.7 兆米ドル、つまり日本円で 300 兆円近くにまでになると予測されています。

なぜここまで拡大が予測されているかと申しますと、高齢化に伴って加速する様々な諸問題です。
例えば、高齢者が増加するとそれに伴い介護の需要が増えるため、介護業界においてテクノロジーによる解決が求められます。

また、高齢世代が多くなると悲しいことではありますが死亡者数も増加しています。そのためそれに伴い終活や葬儀、死後に行う相続などにもテクノロジーによる解決が求められます。

こういった高齢化によって発生する諸問題から、Age Tech の需要がさらに高まっていくと言えるでしょう。

4. 海外の具体的なサービスはこちら！

では、海外の Age Tech サービスをご紹介します。今回ご紹介するのは以下のサービスです。

• 米国発！服薬管理デバイス『pilldrill（ピルドリル）』
• 米国発！健康データ管理サービス『AgeWell（エイジウェル）』
• 英国発！オンライン遺言・火葬サービス『Farewill（フェアウィル）』

まず始めに、米国で開発された服薬管理デバイス『pilldrill(ピルドリル)』です。これは、服薬後にピルボックスをデバイスにかざすとその服薬の記録ができるという装置で、その結果は瞬時に家族や医師に自動で送信されるため、ご高齢の方の服薬忘れを防止し、周囲の方の不安を安心に変えることができます。また、薬を飲む時間を聴覚アラートで知らせてくれるため、毎日の服薬を思い出させてくれます。

次に、米国で開発されたスマホで体調や健康データをもとに適切な保険治療を提案するサービス『AgeWell(エイジウェル)』です。高齢者の家に訪問し、孤独になりがちな高齢者に寄り添い信頼を築きながら、医療費削減のための適切なアドバイスでサポートしてくれます。

最後に、英国で開発されたオンライン遺言・火葬サービス『Farewill(フェアウィル)』です。遺言サービスは、15 分程度で完結する程度の質問に答えるだけで遺言を作成でき、Farewillの担当者が法的な問題の有無を確認し、検認まで行います。火葬サービスはオーダーからその他詳細などすべてオンラインで行われ、費用は典型的な 1/5 だそうです。

5. 日本の具体的なサービスはこちら！

続いて、日本の Age Tech の具体的なサービスをご紹介します。今回ご紹介するのは以下のサービスです。

• 認知症予防や介護に！コミュニケーションロボット『palro（パルロ）』
• アプリで簡単！AIを用いたヘルスチェックツール『ObotAIヘルスケア』
• 相続手続きをネットで完結！相続税申告書作成システム『TASKI（タスキ』

まず始めに、日本人の 65 歳以上の 6 人に 1 人が発症しているという認知症の予防・介護をする Age Tech サービスです。富士ソフトが開発したコミュニケーションロボット『palro(パルロ)』は、日常生活で高齢者の方と会話しコミュニケーションをとる役割を担うロボットです。具体的には、認知症予防・ボケ防止や日常会話によるうつ予防、クイズなどで脳を活性化させるなど様々な認知症予防への効果があります。

続いて、人生 100 年時代とも言われ健康意識が高まっていることで注目されているヘルスケアの Age Tech サービスです。株式会社 ObotAI が開発した AI ヘルスチェックツール『ObotAI ヘルスケア』は、現在の健康状態のみならず将来の疾患リスクまでを可視化し、健康意識を高めてくれるアプリです。スマホでいくつかの質問に答えるだけで使用できるため、機械を使うのが苦手という高齢者の方でも簡単に便利に使用できます。

最後に、高齢化に伴い年々増加しているのが死亡者数です。そこで相続の煩雑な手続きをテクノロジーで解決する相続の Age Tech サービスをご紹介します。現在、株式会社TASKIが開発中の相続税申告書作成システム『TASKI（タスキ）』は、従来は税理士に依頼して行うことが多かった相続税申告書作成を、お客様ご自身でオンラインで簡単にリーズナブルに行えるシステムです。相続税専門の税理士に相談ができるため、
「なるべく自身でやりたいけれどやはり不安･･･」
「税理士に依頼するのが安心だけれど料金が高い･･･」

といった方に最適で安心なサービスになります。こちらは 2022 年春にリリース予定で、現在皆様によりよいサービスをご提供できるよう鋭意開発中ですので、リリースまでもうしばらくお待ちください！

6. まとめ

今回は Age Tech について市場の現状から具体的なサービスまでご紹介しました。

世界規模で進行し続けている高齢化や急速に発展するテクノロジー化の背景から、これからますます需要が高まることは間違いないと思われます。

また、Age Tech は現在新規参入企業が多く、競争が激化している分野です。ですが、実は高齢者ビジネスでの成功事例は多くはないというのが実態です。

「高齢者×テクノロジー」という一見相反する 2 つを上手く掛け合わせるためには、消費者である高齢者にとって使いやすく、従来とは異なるメリットを感じられるサービスの提供が鍵と言えるでしょう。

　

税理士法人ブライト相続　戸崎貴之　監修