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路線価とは?土地の価格の調べ方と計算方法を分かりやすくご紹介します!

相続や不動産について調べていると、「路線価」という言葉を見かけることがあると思います。しかし、路線価について詳しく内容を理解している方は少ないのではないのでしょうか。
今回はそんな路線価について、他の土地に関する価格との違いや実際の土地の価格の調べ方や計算方法まで詳しく解説していきます!
Contents
1. 路線価とは?
路線価とは、道路に面した宅地の1㎡あたりの土地の価格のことをいいます。路線価には「相続税路線価」と「固定資産税路線価」という2つがあり、それぞれにどれくらいの税金がかかるかを求めるのに使われる指標となります。
ちなみに、単に「路線価」とだけ記されている場合には「相続税路線価」のことを指します。
2. 実勢価格(時価)や他の価格との違いとは?
土地の価格に関する言葉は路線価以外にもいくつかあります。時価という言葉でよく耳にすることが多い「実勢価格」は、実際に市場で取引されたときの価格のことで、市場で取引や売買するときに用いられます。
また、路線価を含む公的な不動産価格として他3つが挙げられます。内容としては以下の表のとおりです。
実勢価格や公示価格は、全ての不動産の時価を調べを算出していくとなるとその数も膨大で時間がかかり、また時価は日々変動するため測る時点によっても差が出てきてしまいます。
そこで、比較的簡単に算出することのできる路線価を用いると、実勢価格や公示価格を評価割合から割り戻して算出することができます。
ちなみに、相続税路線価は公示価格のおよそ80%程度の評価割合、固定資産税路線価は公示価格のおよそ70%程度の評価割合になるといわれています。
3.相続税路線価と固定資産税路線価の調べ方はこちら!
では、実際に路線価の調べ方を見ていきましょう。
*相続税路線価の調べ方
相続税路線価は、常に最新の路線価が確認できる国税庁のサイトで見ることをおすすめします。
まずは表示されている該当の都道府県を選択し、『路線価図』をチェックします。続いて該当の市区町村や町名(番地)を選択していきます。路線価図ページ番号が複数ある場合には、該当ページをさらに探します。以上が相続税路線価図の検索の仕方です。
ポイントとしては、「大まかな場所から絞り込んでいく」というイメージです!
*固定資産税路線価の調べ方
固定資産税路線価は、資産評価システム研究センターが提供している『全国地価マップ』を利用すると調べることができます。
参考:一般財団法人 資産評価システム研究センター『全国地価マップ』
まずは対象となる『固定資産税路線価』を選択し、対象となる年度を選択します。すると住所入力欄が表示されるので、該当の住所地を入力し検索結果をクリックすると、地図が表示されます。以上が固定資産税路線価図の検索の仕方です。
相続税路線価よりも検索しやすいですね!
4. 路線価図の見方 『330C』ってどういう意味!?
路線価図ですが、地図には道路に面する標準的な宅地の1平方メートル当たりの価額(千円単位)で表示されています。例えば、330Cと記載されてある場所の路線価は330千円、つまり33万円ということになります。
ちなみに数字の後ろに付いているA~Dの記号は借地権割合のことを指す記号で、以下のように定められています。ただし、借地・貸地でなければ意識する必要はありません。
5. 評価額の計算方法をご紹介!
では実際に路線価図を元に土地評価額を計算してみましょう。具体的な計算式は以下の通りです。
⑴一方のみが道路に面している宅地
評価額=路線価×奥行価格補正率×土地の面積(㎡)
奥行価格補正率とは、道路に対しての土地の奥行の距離に応じて路線価を減額したり、増額したりする割合のことをいいます。例えば、路線価200C、土地の面積600㎡、奥行価格補正率0.98の自用地の評価額は、
200千円×0.98×600㎡=117,600,000円
となります。また、自用地ではなく借地であった場合は、この価格に借地権割合であるC(=70%)をかけて評価額を算出します。
⑵正面と側面が道路に面している宅地(角地)
評価額={(正面路線価×奥行価格補正率)+(側面路線価×奥行価格補正率×側方路線影響加算率)}×土地の面積(㎡)
例えば、正面路線価300C、正面の奥行価格補正率0.98、側面路線価200C、側面の奥行価格補正率1、側方路線影響加算率0.03、土地の面積600㎡の自用地の評価額は、
{(300千円×0.98)+(200千円×1×0.03)}×600㎡=180,000,000円
となります。ちなみに正面がどちら側になるかの判定方法は、路線価×奥行価格補正率を計算して、いずれか高い方となります。
⑶正面と裏面が道路に面している宅地
評価額={(正面路線価×奥行価格補正率)+(裏面路線価×奥行価格補正率×二方路線影響加算率)}×土地の面積(㎡)
⑵の角地の計算式に登場した側方路線影響加算率が、二方路線影響加算率に変わるだけです。例えば、正面路線価300C、側面路線価200C、奥行価格補正率0.98、二方路線影響加算率0.02、土地の面積600㎡の自用地の評価額は、
{(300千円×0.98)+(200千円×0.98×0.02)}×600㎡=178,752,000円
まとめ
いかがだったでしょうか。もし土地を相続したり贈与したりする場合は、「相続税路線価」を見て相続税評価額を計算する必要があります。もちろん、不動産は他の財産に比べて価格が大きいため、相続税や贈与税にも大きく影響してきます。
路線価の計算はやや複雑ですが、前もって自身の所有する路線価を調べて計算してみることをおすすめします。
税理士法人ブライト相続 戸崎貴之 監修
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