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終活とは?いつから始める?やるべき6項目をわかりやすく解説

みなさん、終活という言葉にどのようなイメージを思い浮かべるでしょうか。
おそらく、『死ぬ前の準備』や『断捨離』のように「終活=死」を連想してしまい、ネガティブなイメージを持たれる方が多いと思います。
しかし、終活は自分自身の気持ちを整理し、これからの人生をよりよく生きるための準備です。
ここでは終活を始める時期や終活のメリット、実際にやるべき6項目をわかりやすくご紹介します。
Contents
1. 終活とは?
終活(しゅうかつ)とは、「人生の終わりのための活動」の略です。
そもそも終活という言葉は2009年に日本人ジャーナリスト佐々木広人さんが提案して生まれました。その後、2010年には新語・流行語大賞にもノミネートされ、終活という言葉は日本に広まったと言われています。
そのため言葉ができてからまだ10年ちょっとしか経っていませんが、言葉の意味は当初に比べ変化しています。当初は、終活というのは葬式とお墓に関することのみで、 あくまで自分の問題として取り組んで終活をしようという形で広まりました。
ただし、年代とともに遺言書やエンディングノート、財産分与のような要素も含まれるようになり、自分の問題だけではなく家族のためにも終活を行うという形に変化していきました。
2. 終活はいつから始めるべき?
「終活は高齢者が行うもの」というイメージがあると思いますが、実は何歳からでも始めることができます。
近年は若い世代でも自分らしく今を生きるために終活を意識し始める人も増えています。若い世代から始める終活でおすすめなのが、エンディングノートです。自分の人生にしっかりと向き合うことで人生の目標を見つけやすくなり、早いうちから実践に移せます。
実際に終活を始めてみると、やらなければならないことや、用意しなければならない書類・手続きも多いことがわかります。そのため、出来るだけ早めの行動を心がけると良いでしょう。
3. 終活を行うメリット
終活をするメリットにはどのようなものがあるのでしょうか?ここでは主に3つのメリットをご紹介します。
①遺された家族の負担を減らすことができる
終活をすることで、万が一自分で身の回りのことが出来なくなった場合でも、周りの人に考えや感謝の気持ちを伝えることができます。
また、葬儀やお墓などについて家族で話し合っていなかった場合、残された家族は決めるべきことが山積みになってしまいますが、もしエンディングノートに希望などを書いておくと、それをもとに段取りを決めることができます。
②残された人生が充実し、前向きになる
終活をすると、これからの人生を明るく楽しく暮らすためのよい指針になります。
終末期や死後の希望をはっきりとさせ、人生に対する不安を解消できると、これから過ごす未来を前向きに捉えることができるようになります。
③遺産相続のトラブルを回避できる
故人の意思や情報がまったくない状態では、相続時の情報収集や煩雑な手続きに終われ、最悪の場合家族間の相続トラブルが起こってしまう可能性もあるでしょう。
遺言書やエンディングノートにきちんと財産の分配や相続方法などについて具体的に書いておくと、そのようなトラブルを避けることができます。
自分の死後に大切なご家族が揉めたり仲が拗れてしまったりするのはとても悲しいものです。金銭面はトラブルの原因になりやすいので、終活を始めるタイミングを良い機会に、周囲の人と十分に話し合いをする機会を作ってみましょう。
4. 遺言書とエンディングノートはどう違う?
終活を始めるときに、まずほとんどの方が思い浮かべるのが『遺言書』や『エンディングノート』だと思います。
この二つは似ているようで、実は大きな違いがあります。それは、法的効力を持つか、持たないかの違いです。
エンディングノートは書き方にルールはなく、どのように書いても良いのですが、法的効力がありません。そのため死後の遺産相続などのことをお願いすることはできても、強制させることは出来ません。
一方遺言書には法的効力があるため、決められた形式で書かなければなりませんが、遺産相続などについて必ず内容に従わせることが出来ます。
またもう1点、この二つの大きな違いは、遺言書に書けるのは「死後」のことのみですが、エンディングノートには「生前」のことも書ける、ということです。
そのため、遺言書には「死後に財産をどうするか」などを書くのに対して、エンディングノートには生前に自分で身の回りの管理が出来なくなった場合に「財産をどう管理して欲しいか」や「どういった介護をして欲しいか」なども書くことができます。
このような違いをきちんと踏まえて、内容に基づいて遺言書とエンディングノートを使い分けることが需要です。
5. 終活でやるべきことはこの6項目!
「終活をそろそろ始めよう!」と思っていても、実際何からやればいいのか分からないという方は多いのではないでしょうか。
そんな方々のために、以下を順番にやっていくと基本的な終活は完結できる6項目をリスト化してご紹介します。
① エンディングノートの作成
まずは気軽に誰でも書くことのできるエンディングノートを書いてみましょう。
エンディングノートにはルールがありません。市販のエンディングノートを使っても良いですし、買ってきた大学ノートに書いても良いです。
内容はどんな事でも書くことができます。例として下記の内容を参考にしてみてください。
- ご自身について(プロフィール)
- ペットについて
- 家族について
- 介護について
- 延命治療について
- 葬儀について など
②遺言書の作成
遺言には種類があり、全て自筆で記し、署名、押印して作成するのが『自筆証書遺言』です。手軽に作成でき、費用もかからないのですが、きちんと調べず形式を間違えてしまうと無効になる可能性も高いのが自筆証書遺言です。
法的効力を持つため、書くことのできる内容は決まっています。例として下記の内容を参考にしてみてください。
- 遺産分割方法の指定について
- 相続人の排除について
- 遺贈について
- 遺産分割の禁止について など
確実に有効な遺言書を作成したい場合は、公証人のもと作成する『公正証書遺言』を検討してみましょう。分からない場合は弁護士など専門家に気軽に相談してみてください!
③個人情報の整理
個人情報の整理は必ず生前に行いましょう。万が一それを怠ると、遺族に自分の資産を確実に渡すことが出来ない可能性があります。
近年はデジタル遺品の問題が多くなっています。サブスクリプションなどを契約している場合は、解約しておくか、ログインパスワードなどをご家族と共有しておきましょう。
使っていない銀行口座やクレジットカードなどは解約しておくことも、遺族の負担を減らすことに繋がります。
④不用品の整理
遺族が片付けで大変にならないようにするためにも、早めの終活で不用品は捨てたり売ったりするなどして整理をしておきましょう。
⑤葬儀・お墓の準備
葬儀やお墓についての希望をご家族に伝えておくのも、亡くなったあとのご家族の負担を減らすことに繋がります。
また、ご自身で遺影を選びたい!という方は、希望をご家族に伝えておきましょう。
⑥相続の準備
相続の準備も終活に需要な項目の一つです。なぜならこの準備を怠ると、相続トラブル繋がる可能性があるからです。
相続の準備を始めるには、まず自分の財産がどのくらいあるのかきちんと把握する必要があります。現在当社で開発中である”TASKI”のようにネットで相続税の計算ができるシステムは、無料で「今現在の財産の状況」や「相続税はかかるのかどうか」などを簡単に把握することができるため、相続の準備としても一度試しに使ってみることをお勧めします!
まとめ
今回は終活について詳しく解説をしました。終活はネガティブなイメージがある方も多いと思いますが、実は今の自分と向き合うためであったり、大切なご家族のための活動であったりと、とても前向きな活動であることがお分かりいただけたかと思います。
人生100年時代と言われている今、早めの終活を心がけることで、まだまだ長いこの先の人生をより充実したものにできます。是非、無理をせずできることから終活を始めてみてはいかがでしょうか。
税理士法人ブライト相続 戸崎貴之 監修
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