
Information相続・終活お役立ち情報
相続税の土地の評価を自分で行う方法とは?

相続財産の中でも特に価額の評価が難しいものとして、「土地」があります。
土地は高額になりやすいため、これをどう評価するかで相続税額は大きく変わってきます。
今回は、土地の評価を決める4つの価格についてや、相続において土地の評価額を自分で調べて計算する方法を分かりやすく解説していきます。
Contents
1. 不動産の価格を決める4つの基準はこちら!
土地は「一物四価」と言われ、目的や用途に応じて金額は異なります。具体的に次の4つの価格を指します。
- 相続税路線価
- 固定資産税路線価
- 公示価格
- 実勢価格
ではそれぞれを比較して見ていきましょう。
【1】 相続税路線価
相続税路線価は、相続税・贈与税の計算のために使用する価格となります。
国税庁が毎年7月1日にその年の路線価を発表しています。
そのため、ご相続が1月~6月に発生した方にとっては、土地の評価額は7月まで分からないということになります。
なお、路線価は、売買の実例価格や地価公示価格、不動産鑑定士による鑑定評価、精通者意見価格を踏まえて国税庁が算出をしています。
【2】固定資産税路線価
固定資産税路線価は、その名の通り、固定資産税や都市計画税、登録免許税などの課税の基準になる路線価となります。
価格は各市区町村長が決定しています。
1月1日時点を評価基準としていますが、3年に1度改訂がされます。
【3】公示価格
公示価格は、地価公示法に基づいて土地鑑定委員会が公表する土地の価格です。
客観的で適正な価格にするため、毎年1月1日時点における価格を複数の不動産鑑定士が鑑定し、土地鑑定委員会が審査して決定した価格となり、3月中旬頃に国土交通省が公表します。
公示地価は、一般の土地取引価格に対する指標を目的とするため、その土地の価値を最大限に評価するように鑑定されます。
【4】実勢価格
実勢価格は、実際の不動産市況で成約されるその不動産の売買価格(実際に取引される価格)をいいます。
実勢価格は他の価格との明確な関係はなく、土地の立地・面積や周辺環境、その時の相場状況などが影響します。
また、個別の土地の要素に加え、売主と買主の事情によっても金額が左右されることがあるため、運・タイミングによっても変化します。
2. 土地の評価額を自分で計算する方法
土地の評価方法には、路線価方式と倍率方式の2つの方法があります。
主に市街地にある土地については路線価方式によって評価を行い、
それ以外の土地については倍率方式によって評価するとされています。
では、この2つの評価方法による評価額の算出方法を具体的に解説していきます。
・路線価方式による計算方法
まず、路線価方式である地域の評価額の算出方法をご紹介します。
下記のURLが国税庁の路線価のサイトになります。
クリックすると、日本全国の地図が出た「令和4年分財産評価基準を見る」が表示されます。
次に、相続した土地のあるエリアを選択します。選択する方法は、
①該当の『都道府県』を選択する
②地図のより該当の件を選択する
の2つの方法あります。
エリアを選択すると、「財産評価基準書目次」が表示されますので、「路線価図」をクリックします。順に選択していくと、目的の路線価図が表示されます。
ここのページでは、
①地図から選択する方法
②住所から選択する方法
の2通りの方法で検索できます。
路線価図の見方ですが、例えば「1440C」と表示されている路線価であるとします。「1440」の単位は千円なので、1㎡あたり144万円と設定されていることになります。
以上が路線価図の検索の仕方です。ポイントとしては、大まかな場所から絞り込んでいくというイメージになります。
・倍率方式による計算方法
次に、路線価が設定されていない土地の倍率方式による評価額を算出方法をご紹介します。
倍率方式の地域の評価は、
「土地の評価額 = 固定資産税評価額 × 倍率表に定める地域ごとの倍率」
という計算式で算出します。
用意するのは、土地の所有者に毎年4月の終わりごろから5月頃にかけて役所から送られてくる「固定資産税課税明細書」です。その納付書に固定資産税評価額が記載されていますのでご確認ください。
地域ごとの倍率は、路線価を調べた際と同じ国税庁のホームページで確認できます。
都道府県をクリックして「財産評価基準書目次」の画面が出たら、「評価倍率表(一般の土地等用)」をクリックします。その後市区町村を選択すると、「倍率表」が出てきます。
例えば、 固定資産税評価額が2,500万円、倍率が1.1倍である土地の評価額は
2,500万円×1.1=2,750万円
となります。
まとめ
いかがだったでしょうか。土地はどのように評価するのかわからないという方は多くいらっしゃると思いますが、正しいサイトを使って手順を踏めばご自身で簡単に計算することができます。
ただし、補正率などが複雑な土地は専門家による判断でも難しい場合があります。そのような土地を相続する可能性がある方は、将来申告ミスなどの恐れもあるため一度専門家に相談してみることをお勧めします。
税理士法人ブライト相続 税理士 戸崎 貴之 監修
Ranking人気記事
-
相続税の申告義務を把握する際の相続税の土地評価額をすぐ把握する方法について解説します!
-
自分で相続税申告ができるソフトをご紹介!メリットや申告の要否判定の方法とは?
-
生前贈与とは?相続との違いやメリットは?
-
【相続手続の手順】遺産相続手続のスケジュールを徹底解説!
-
相続人の調べ方を徹底解説!戸籍謄本の入手方法・必要書類は?
-
【ひな形あり】遺産分割協議書を自分で作成する方法とは
-
名義預金とは?該当するケースや対策方法をわかりやすく解説!
-
二次相続税を考慮した遺産分割の方法|事例をもとに徹底解説!
-
「相続放棄の手続きは自分でもできる?」申請方法と相続税の計算における相続放棄の注意点を徹…
-
路線価とは?土地の価格の調べ方と計算方法を分かりやすくご紹介します!